「0歳から音楽を習い始めるのは早すぎますか?」研究でわかった「親子で一緒に」の力【シンガポール】

「0歳児に、音楽レッスンは早い?」
こんにちは!シンガポールの幼児音楽教室 Orchard Music Academy(OMA)代表、プロハープ奏者の朝永侑子です。(代表者プロフィール詳細はこちら)
「音楽の習い事に興味はあるけれど、何歳から始めるのがベスト?」 そんな疑問をお持ちの方も、多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、音楽は何歳から始めてもいい、と私はお伝えしています。もちろん、プロの演奏家を目指すのであれば、早く始めるに越したことはありません。けれど、いちばん大切なのは、お子さんが音楽に興味を持ったそのときです。
「興味を持つ」といっても、お子さんが「音楽をやりたい!」と言葉にするとは限りません。たとえば、音に耳をすませるようになった、リズムに合わせて体をゆらすようになった。そんな小さな「興味を持った瞬間」を、ぜひ親御さんが見つけてあげてください。
また、「0歳から音楽レッスンを始めるのは早すぎませんか?」というご質問をよくいただきます。
聞いたことがある方も多い研究だと思いますが、赤ちゃんは、妊娠約24週ごろからお腹の中で音を聴き始め、生まれたときにはすでに聴く力を備えていると言われています。赤ちゃんにとって「聴くこと」は、生まれる前から始まっている、世界とつながる最初の扉なのですね。
OMAのBabyクラス(0歳〜1歳)とToddlerクラス(1歳〜2歳)は、親子参加していただいてます。このクラスを作ったのは“親子での音楽体験”こそ大切にしていただきたいと思ったからです。
海外の大学の研究からも、特に、大人と一緒に楽しむ音楽には、赤ちゃんの育ちを支える力があることが見えてきています。このコラムでは、3つの研究をご紹介しながら、その理由をお伝えしますね!
大切なのは「聴かせる」より「一緒に楽しむ」こと
先に研究結果からお伝えすると、音楽をただ流しておくよりも、そばにいる大人と一緒に歌い、ゆれ、音を鳴らす体験のほうが、赤ちゃんの育ちによい影響がありそうだということです。
だからこそ、0歳からの音楽の習い事は「早期教育」というよりも、親子で過ごす豊かな時間そのものと考えるのがいちばん自然です。
研究①:生後6か月からの「参加型」音楽クラス(カナダ・マクマスター大学)
カナダのマクマスター大学の研究チームは、生後6か月の赤ちゃんとその保護者を、2つのグループに分けて調べました。どちらのグループも、6か月間、毎週クラスに通いました。
- 参加型クラス:保護者と赤ちゃんが一緒に、子守唄や童謡、手遊び歌を歌い、小さな打楽器を鳴らす
- 聴くだけのクラス:保護者と赤ちゃんが一緒におもちゃで遊び、そのあいだ赤ちゃん向けの音楽を流しておく
その結果、参加型クラスの赤ちゃんには、次のような違いが見られました。
- 音楽の「調(音のまとまり)」を感じ取る力が、より早く育っていた
- 指さしや手を振るなど、ことばより前のコミュニケーションが、より発達していた
- よく笑い、なだめやすく、知らない場面でも不安を示しにくかった
2つのクラスの違いは、音楽を流しておくだけだったか、親子で一緒に歌い、体を動かし、音を鳴らしたか。その関わり方の違いが、赤ちゃんの育ちの差につながったことが、この研究のいちばん大切なポイントです。
- 研究①:Gerry, D., Unrau, A., & Trainor, L. J. (2012). Active music classes in infancy enhance musical, communicative and social development. Developmental Science, 15(3), 398–407. — マクマスター大学 Trainor研究室、研究の紹介記事(ScienceDaily)
OMAの親子クラス(Baby、Toddlerクラス)では、親子で音やリズムを感じる時間にして欲しいと思っています。たとえば、音楽に合わせて、お子さまの背中をやさしくポンポンとたたきながらリズムをとることもおすすめしています。お家で音楽を聞く時も、ぜひやってみてください。
研究②:リズム遊びは「ことば」の土台にも(アメリカ・ワシントン大学)
アメリカのワシントン大学の研究では、生後9か月の赤ちゃん39人が、保護者と一緒に1回15分の遊びを、1か月で12回行いました。片方のグループは音楽に合わせてリズムを感じる遊びを、もう片方のグループは音楽を使わない遊びをしました。
その後、脳の反応を調べたところ、音楽で遊んだグループの赤ちゃんは、音楽のリズムだけでなく、ことばのリズムの変化にも、より強く反応していました。
研究者は、リズムのパターンを感じ取り、次を予測する力が、ことばの聞き取りにも役立つ可能性があると述べています。
- 研究②:Zhao, T. C., & Kuhl, P. K. (2016). Musical intervention enhances infants' neural processing of temporal structure in music and speech. PNAS. — ワシントン大学 公式ニュース
OMAのクラスでは、ことばの力を育むことも大切なねらいのひとつです。毎月テーマ(たとえば「時計」「鳥」など)を決め、そのテーマにちなんだわらべうたや手遊び、絵本を取り入れて、歌ったり体を動かしたりします。音楽を入り口に、テーマへの興味が広がり、新しいことばにも自然と出会えるように工夫しています。
研究③:一緒にゆれると、人を助ける行動が増えた(カナダ・マクマスター大学)
もうひとつの研究は、生後14か月の赤ちゃんを対象にしたものです。赤ちゃんは抱っこされたまま、音楽に合わせて向かいの大人と同じテンポでゆれるか、違うテンポでゆれるかのどちらかを体験しました。
そのあと、向かいの大人が物をうっかり落としたふりをします。落とした物を拾って渡してくれた割合は、同じテンポでゆれた赤ちゃんで約50%、違うテンポでゆれた赤ちゃんで約30%でした。
音楽に合わせて一緒に体を動かすことが、まわりの人を助ける行動を引き出す可能性を示した研究です。
この研究を見て面白いと思ったのですが、なぜかというとOMAのクラスでも、0歳から入ってくださったお子さんが、1歳前後ごろから“助ける、手伝う”姿をよく見るからです。レッスンで使った音階ベルのお片付けを積極的に手伝おうとしてくれたり、お友達に手渡してくれたり。研究と同じことが起きていると言い切ることはできませんが、かわいい「お手伝い」を見るたびに、私はこの研究と重なるものを感じています。
- 研究③:Cirelli, L. K., Einarson, K. M., & Trainor, L. J. (2014). Interpersonal synchrony increases prosocial behavior in infants. Developmental Science, 17(6), 1003–1011. — マクマスター大学 Trainor研究室、マクマスター大学 公式ニュース
※ ご紹介した結果は、いずれもグループ全体の傾向です。すべてのお子さんに同じ効果を約束するものではありません。お子さんのペースを何より大切にしてください。
体験レッスンへ参加してみませんか?
0歳からOMAに通ってくださるお子さんには、OMAが人生ではじめての習い事という方もたくさんいらっしゃいます。いつかお子さんが「音楽が好きになったのは、OMAに通っていたから」と振り返ってくれたら、こんなに幸せなことはありません。そう思っていただけるよう、私も日々精進してまいります。
お子様が音楽に興味をもっているな、と思われた方は、ぜひ一度、体験レッスンにいらしてくださいね!お待ちしております。(満席のクラスも体験レッスンは受け付けております。シンガポールの特性上、クラス人数が流動するのでぜひお気軽にお問い合わせください。)
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お会いできるのを心より楽しみにしております。

